内廊下、外廊下のメリット・デメリット
|マンションの不動産投資物件において、共同住宅の内廊下と外廊下のメリットとデメリットについて説明します。つぎのような理由により、不動産投資においては内廊下よりも外廊下物件を選んだ方が良いでしょう。
平成9年の法改正により、共同住宅の共用の廊下と階段部分の床面積は算入されません。法改正前には、外気に有効に開放されている部分の高さが1.1m以上であり、かつ、天井の高さの1/2以上である廊下(吹きさらしの廊下)については、幅2mまでの部分を床面積に算入しないとありました。
内廊下面積も床面積に算入されなくなったことにより、マンションのデザインの選択肢が増え、内廊下仕様の物件が増えてきました。
住民目線で見た内廊下のメリット
- ○高級感がある
- ○快適
- ○セキュリティ性能
- ○プライバシー性能
内廊下仕様の場合、床素材や照明のデザインの自由度が増し、ホテルライクな高級感あるデザインの物件を作ることができます。
内廊下の場合、通常密閉されている空間のため空調が設置されています。暑い夏の日もマンションに入って部屋に付くまで空調のある内廊下を快適に歩くことができます。
マンションの外から、どの部屋に入ったかを見ることが困難なため、プライバシーが保たれます。
住民目線で見た内廊下のデメリット
- ×通気性が悪い
- ×臭気がこもる
- △安全性
外廊下の場合、玄関や、廊下に面した窓から外気が入ってくるため、バルコニー側と廊下側で空気の通り道ができ通気が確保されますが、内廊下仕様の場合、廊下から外気を取り込むことができません。暑い夏の日も、外廊下の場合は両側の窓を開ければ快適に過ごすことができますが、内廊下の場合エアコンを使う頻度が多くなり電気代がかかることになるでしょう。
室内の通気が悪いのと同様に、廊下内の通気も悪いため生ゴミなどの臭いがこもったり、また内廊下の補修を行った際の溶剤の臭いや、廊下清掃時の洗剤の臭いがこもったりします。古いマンションになるほど、空調設備の劣化などによりその独特の臭いが内廊下内に充満することになります。
内廊下では、火災が発生した際に廊下内に煙や有毒ガスが充満し危険な状態になることがあります。
不動産投資目線で見た内廊下のメリット
不動産投資目線で見ると、内廊下物件のメリットは殆どありません。
- △デザイン性(新築時限定)
- ○外廊下から室内への雨漏りが発生しない
強いて内廊下のメリットを上げるとすると、デザイン性くらいでしょうか。内廊下の床や壁、そして照明のデザイン性を高めてホテルライクな格好いい物件を作ることができます。しかし、そのデザインの良さも新築から10年以内程度に限られるでしょう。
外廊下の場合、廊下に貯まったり流れたりする雨水が壁立ち上がり箇所等から室内へ漏水することがあります。内廊下の場合、廊下からの住居内への雨漏りの危険性がありません(ただし、外壁から内廊下へ雨漏りが発生することはあります)。
不動産投資目線で見た内廊下のデメリット
- ×共用部の光熱費が高い
- ×内廊下に臭いがこもる
内廊下は密閉空間となるため、昼間も照明や空調を付けておく必要があり、その分、外廊下物件と比べて光熱費が高くなります。また、照明や空調設備の維持費用もその分高くなります。
住民目線のデメリットにも書いた通り、内廊下は通気性が悪く臭いがこもります。賃貸マンションの場合、内見にやってきたお客様がエントランスから内廊下へ入った際にこの臭いが第一印象で悪い印象を与えることにより空室率にも少なからず影響することでしょう。臭気対策としては、内廊下にある非常扉を開くことにより少し改善できますが、オートロック式マンションの場合非常口から侵入できてしまうことにより防犯性能の影響も注意しなければなりません。